たかが犬靴…されど犬靴!


さて・・・
前回の続きで、犬に靴を履かせる事やワセリンに関して、体温調節がどうとか、皮膚呼吸がなんとか等の賛否両論があるようなのですが実際のところどうなの?



という疑問に対し、この数年、愛犬サニーとガッツリやってきたアウトドアライフの経験から、我が家では必要だという結論に至ったのですが…今回はその理由について詳細に説明しようと思います…がしかし!…

その前に犬の肉球構造について少々説明したいと思います。



簡単に言うと、肉球(フットパッド)というものは犬が歩く時にクッションの役目を果たしてくれる被毛のない皮膚のことで、角質層が厚くなった、人間で言うところの「マメや踵(かかと)」のような部位に当たります。

役割としては、歩行時に足にかかる負担や衝撃を吸収、分散、グリップ…etc.



その他、雄犬によく見られる行動として足裏からでる汗の臭い(エクリン小汗腺の分泌物)を、四つ足で地面に擦り付けるような動作で移し、仲間へのコンタクトや存在をアピールする、マーキング等の意味合い等もあります。

*アポクリン汗腺は全身に分布していて人間とは真逆



肉球の内部にはコラーゲン線維、弾性繊維、脂肪などで形成されていますが、そこには骨もあり、その骨に沿って、皮膚や腱、靭帯、血管、動脈、静脈…
そういった結合組織が形成されています。

そしてもう1つ驚きの構造があるのです!

それは…
雪道などで肉球内の静脈を流れる血液は当然冷やされますが、そのそばを流れる動脈によって直ぐ温め直されて体内へと運ばれ体内温度を保たせる【熱交換システム】なるものが犬達には備わってるんです!

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
BBC Nature

『Veterinary Dermatology(獣医皮膚科学ジャーナル)

以下抜粋~
日本の研究者が電子顕微鏡を使い、犬の肉球の内部構造を研究し、その内容が『Veterinary Dermatology(獣医皮膚科学ジャーナル)』内に発表された。

北極ギツネやオオカミは寒さが厳しい環境でも体温維持が出来ることが知られていて、-35度の凍った地表にも適応出来ることがわかっている。

ヤマザキ学園大学の二宮博士と彼のチームが、これらイヌ科の適応能力が私たちと暮らす犬達にもあるのかどうかを調べた。

電子顕微鏡を使って犬の肉球の内部構造を調べたところ、静脈が動脈の周囲に近接した構造を持っており血管から血管へ熱が伝わる仕組になっているのを見つけたという。

体内深部から送られる温かい血液(動脈)周囲に静脈網があることで冷えた血液は温められる。

この熱交換システムによって犬の肉球の温度は保たれ、また体内深部に戻る血液も温められるため体内温度も保たれるそうだ。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

このような、人間にないミラクルな構造が犬達には備わっているわけです…
つまりそこまで人間同様の心配することはないって事なんです。

熱交換システムの他にも、対向流熱交換などとも言われます。
【寒冷地のオットセイやペンギン、鯨などの動物達にも備わる仕組のこと】


(なるほどですね…)

とはいえ…
家の中で仔犬の時から過ごしている犬と、
外で飼われている犬、または1日に500メートルくらいしか歩かない犬と、毎日10キロ以上散歩する犬とでは、肉球の強さ、耐久力は普通に考えて格段に全く違います…



加えて、寒冷地で生まれ育ったシベリアンハスキーやアラスカンマラミュートなどの長毛種は、一説では-20℃の中でも丸まって眠ることができると言われてます。

また、その逆に…
仔犬や老犬、寒さに弱い犬種等は到底上記にあげた犬達と同じではなく全部一括りには出来ない事は言うまでもありません…


(池が氷ってスケートリンクですよ…)

そんなふうに、肉球の表面は丈夫にできているとはいえ、夏の焼けたアスファルト、雪道の長時間での歩行、岩場、砂利道、荒れた草木、ガラスの破片…からの刺激の強度によっては当たり前に擦りきれたり、火傷、凍傷…そして最悪の場合破傷風菌に冒される事もありえます。



痛覚に関しても痛みに反応する神経系は犬も人間も略同様と証明されています。

ですが、優れた肉球の構造、生態、そして習性等から、痛みに鈍感~あまり感じないという風に誤った解釈が独り歩きしていき絶妙にズレた論調が世に流れてしまったようです…



捕食動物である犬の習性として、弱みを見せれば途端に敵からターゲットにされるという本能が備わっている性質上から痛みを押さえ込み、それ以上の危機を回避しようという術の成せる業を単純に見て捉え本質を見誤っているのです。

こういう習性は別の場面でも見られます。

例えば数匹の犬達の群れがあった時、その中に心身共に不安定で弱い犬がいれば、
その犬を群れの輪から遠退けようとしたり、更に追い詰めて排除しようとする光景を見たりしますが、これはそういった習性、本能がさせる事なんです。


(絶壁も一緒に登りますよ!)

中にはそうした「本能」丸出しの行動をとらない犬も勿論いますが、その理由としてリーダーの下で安定した犬は「自ら決断を下さなくていい」からなのです…

話を戻しますと…

そのように、一番強い部位でもある肉球は、厄介な事に再生能力が他の皮膚組織より劣っているので、度合いによっては治療も困難になり手術が施せない場合もあるほど一番面倒な部位でもある、剣の刃のようなパーツなわけなのです…


(ムムッ…)

じゃあ、そんなに歩かせたら面倒じゃないかとか、可哀想だとか…思ってしまうのはあまりに短絡的である事はこれまでに何度も述べました。


(ジョーと走~る♪)

犬という生き物は歩いて旅をするように生態ができているので、そのシステムを奪えばストレスは勿論、骨を支える筋肉が衰え歩けなくなったり、股関節炎やヘルニア等…逆に早くから犬達の健康を阻害し生態エネルギーを薄れさせてしまう結果に繋がります。



この点で人間も犬も同様に「骨と筋肉」
だけは、体の中で唯一死ぬまで再生し続けることはシッカリ証明されているわけです…

とはいえ単になにもしなくて再生し続けてくれるなんて、そんな虫の良い話はありません(*_*;

再生するには骨や筋肉に「適度な刺激」を与えて、必要な栄養を補給しないと、再生もしなければ、衰えの速度は早まるだけです。



宇宙飛行士が無重力での生活で重力のある地上へ降り立った時、全く立てなかったり、高齢者が骨折などをきっかけに全く動けなくなるなんて話がありますが、昨今では成長期の子供達の骨の脆さというのも問題になっていたりしますね…

と…ここまで様々な角度から説明した内容を纏めると、犬に靴を履かせることは
「用心と保護」の為であって、様々なトラブルへの「究極の防御策」なのです。



ですから、わが家では山行き等で登りの際、脱げやすい事はどうしても避けられない問題なので、登りの際は逆に靴は履かせず、下りに履かせたり、要所要所で装着させ肉球を守っているのですが、そうした中でも、歩きに集中し過ぎて靴を履かせることを忘れてしまったりもあるわけですが…

そもそも、どの程度の時間なら靴を履かせなくとも大丈夫なのか?っていうと、これも個体差があることなので、ハッキリした時間は明記しようがありません。

ですが、過去何度も雪山行きを経験してみて究極言えるのは自ら「足を上げる時」がタイムリミットという事です。



うちのサニーの場合、5~7時間は耐えれるようですが、7時間以上になると足を上げだし歩みを止めれば、体を丸め足を体の下へ収めて体温維持をしようとします。
(※雪山でも太陽光が射し気温が高ければ全く問題ない事もあります。)

最初から最後まで靴を履かせられるならそれに越した事はありません。

そうは言っても、履かせ続けられない事にあまりに神経質になって労るばかりに寒い日や雪道などを避けて歩かせないなんて本末転倒というもの…


(歩かないなんて…そりゃ拷問ですよ…)

……そんな長時間、雪山なんて歩かないから靴なんて必要ない…
……山登りどころか、うちのワンちゃんは散歩が苦手だから1時間以上歩く事なんてほとんどありません…

という方等はこのブログを直ぐに閉じて下さい(笑


(すみません。僕と一緒で白黒ハッキリした性分でして…)


とにかく地震がおきて瓦礫やガラスが散乱した中を移動しなくてはいけない時があるかもしれませんし…足にケガをして靴下や何かを装着させないといけない事があるかもしれません。

そんな時スムーズに受け入れてくれるようにしておく事も「転ばぬ先の杖」という愛情なのではないかと思ったりします…❤❤


(何か知りませんけど宜しく頼むですよ…)

たかが犬靴…されど犬靴!という事です!

最後にワセリンを塗ったら皮膚呼吸が出来ないとか何とかの話?

皮膚は排出器官であって呼吸なんてしません!

呼吸は口や鼻でやります!
以上…(-∀-`;)orz

その他にワセリンで検索したらとても分かりやすいページがありましたので、そちらも参考までに→ +獣医の笑って楽しく老犬介護!?>白色ワセリン、こう使え!


にほんブログ村 犬ブログ ボーダーコリーへ
にほんブログ村





この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

カレンダー

10 2017/11 12
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

にほんブログ村に参加しています♪

にほんブログ村 犬ブログ ボーダーコリーへ
にほんブログ村

最新コメント

[05/30 Arisa ]
[05/28 oldオードリー]
[04/17 Arisa]
[04/16 本宮 清]
[04/08 Arisa ]

最新トラックバック

プロフィール

HN:
Arisa Jodai
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

最古記事

P R